2006年01月27日
地上のパラダイス
ルームメイトの高校の同級生、鄭君が出張で上海
から広州に来たついでに我が家に遊びにやってきた。
鄭君は中国の京大、清華大学を卒業して上海でIT
コンサルタントをしているという秀才だ。
(ちなみに管理人のルームメイトは、本人曰く高校で
落ちこぼれて専門学校に進み、職人をしている)
せっかく鄭君が来たというので、もう一人広州で
働いている同級生、呂さんもやってきた。
彼女も米国プリンストン大学を卒業後、企業専門
弁護士をしているというこれまた才媛なのだが、
すばらしい経歴を鼻にかけた感じはまったくなくて、
茶目っ気のある可愛い女の子という雰囲気だ。
二人が管理人にどうして中国に来たのか?中国で
働くのと日本で働くのは何が違うか?などいろいろ
質問したので一通り答えたあと、逆に二人に将来
海外に行く気はないのか聞いてみた。
野心のある若い中国人が集まるとすぐ海外に出る
話になるのだが、この二人の回答は少し違った。
鄭君「大学のころは皆と一緒で、いつかは海外に
出ようと思ってた。大学の友達なんか束で海外に
行ってるからね。この間数えたらニューヨーク
だけで知り合いが70人以上いたよ。
だけど、仕事で日本や欧米のクライアントと話を
するようになって、逆に中国の良さがわかったんだ。
そしたらわざわざ中国を離れる必要なんて全然
ないって気がついた。
特に上海は今世界中で一番チャンスの多い場所だと
思う。海外にちょっと遊びに行ったりしばらく働く
のはいいと思うけど、移住する気は全然ないよ」
呂さん「私もアメリカの法律事務所でしばらく
働いたけど、やっぱり両親も友達もいる中国が
私にとってはパラダイスだと気がついて帰ってきた
の。友達は皆、勿体ないと言うけど私はどこで暮らす
かより、誰と一緒にいるかの方が大事だと思う。」
鄭君「もちろん中国には悪い点も多い。特に病気に
なったら厄介。医者も病院も信用できない
から絶対に病気できない。僕は株もマンションも
買わないけど、健康には投資してるよ。週末は携帯も
切って必ず運動することにしてる」
呂さん「それは確かに中国の現実だよね。私の友達
でも日本に留学してそのまま帰ってこない人が何人も
いるけど、日本は皆の生活水準が大体同じだから
安心できるんだって。中国はお金持ちはとてつもなく
お金持ちだけど、貧乏な人は本当に貧乏だから
つらくて見たくないって。」
鄭君「僕は中学校まで電気もない農村で育ったんだよ。
両親共、出稼ぎで家にいなかったから小さいときから
何でも自分でやった。学校の学費も自分で納めに行って
ちゃんと領収書を書いてくださいって要求したよ。
6歳のときにね。ハハハ」
(鄭君はこの後、成績優秀生として奨学金をゲット、
重点高校に進学したのだそうだ。どんな環境で育っても
優秀な人は優秀なのである)
管理人「まあそこまで貧しい地域は別として、ある
程度以上の都市だったら、確かにどこで暮らしても
大して変わらないかもね」
呂さん「そう、毎日働いて、ご飯食べて、恋愛して....
どこで暮らしても一緒だと思う。」
中国人が必死に海外へ出ようとするのは、ひとつ
にはいろんな意味で中国にとどまることに不安が
あるからだと思う。
なので、海外のパスポートを取得し、いつでも
自由に海外に出られる状態をつくった後、中国
へ戻って”外国人”として暮らす人も大勢いる。
が、二人と話してひょっとすると中国が豊かに
なったことでこの現象に変化が起こりつつある
のかも知れない、と思った。
あるいはこの二人くらいのレベルになると、いざ
となればどこでも暮らせるという自信があるので
逆に出国したい、という気がなくなるのだろうか?
いずれにしても「(外国がどんなかよく知らないのに)
何がなんでも出国したい族」に比べ、生まれ育った
中国こそが自分のパラダイスと気づいた二人の方が
見ていてずっと安心できたのは確かだ。
さて、呂さんは春節のあと、結婚してBFの転勤先の武漢に
行くのだそうです。武漢も大都市ですが、彼女の能力を
活かすチャンスは広州に比べれば少ないでしょう。
それでも「誰と一緒にいるかが大事」という信念を通す
彼女はとても清々しく見えました。
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逆に出国したい、という気がなくなるのだろうか?
この部分の説明、非常に良くわかるような気がします。
それにしても最近の大学生は物質主義で骨抜きにされてます(お偉いさんたちが狙ったわけではないのでしょうけど)。80年末の学生が持っていた精神はどこに行ってしまったのでしょうか。
この記事を中国BLOG記事アーカイブプロジェクトに推薦させていただきました。
http://www.chinawalkers.net/modules/weblog/details.php?blog_id=134
殆どの人(特に農民)は自分の住んでる省から出るのを禁止しているような話を聞きました。
選択肢をもてる人は確かに中国全体では少数ですよね。無いから逆に(それが自分にとって必要かどうかを考えることなく)欲しくなる....人間ってそういうものなんでしょうね。
>worldwalkerさま
逆に言うと多くの人の生活は明日をも知れない状態だから1円でも給与の高い職場を求めて転職したり、過激な受験戦争が起こるわけですよね。
>kyotowangさま
はじめまして!確かに一度外に出てみて初めてわかるのであって、鄭さんのように一度も海外に出ることなく中国のよさに気づくことのできる人は少数なのでしょう。皆と違うことをするには確かに「勇気」が必要ですよね。
特に広州地元の女子大学生(もちろん皆が皆というわけではないですが)は物質主義という点で外地からきた学生だけでなく、広州の男子学生にも評判はよくないようです。まあ、まだ日本よりはずっとマシなような気がしますが....
>とんじいさま
最近では国内の移動制限はどんどん緩くなっていると聞きますが、香港や外国に行くには依然として戸籍による制限があります。これだけ聞くと「人権無視」に思えますが、中国に実際住んでる者の実感としては治安維持のためにはある程度の制限は仕方が無いかも...と思います。
北京では「地球村」という安い語学学校で中国語を勉強しているのですが、環境が全く違う広州に行ってみたくなり、暖かくなる6、7月頃に広州に移ってみようかな〜と計画しているのですが、安くてビザの手続きもしてくれる語学学校は広州にもありますでしょうか?いろいろネットで調べているのですが、北京・上海の情報ページは結構あるのですが、広州は全然ないのでなかなか情報が得られないので困っております。
もし差し支えなく、ご存知でしたら是非お教えください。宜しくお願いいたしますm(_ _)m
自分が今いる地名が出てくると嬉しいもんですね♪
って言っても管理人さんが来るわけじゃないんですよね笑
春節、お金がないんで旅行出来ませんでした・・・
夏こそは旅行行くぞー!おー!
はじめまして!
広州は3月から暖かく(というか暑く)なります。大学の語学コースは確か2月の末から始まるのでそのころいらっしゃるのがおすすめです。人数に余裕があれば途中入学も全然OKです。ビザの手続きなどについては中山大学、華南師範大学などにといあわせれば教えてくれると思います。
>worldwalkerさま
「地球村」って私も名前しか聞いたことがないのですが、さすが物知りのworldwalkerさまですね。
>たくみっくすさま
春節休みは日本に戻ってきてしまった管理人ですが、本当は中国に残ったほうがいろいろ見られて楽しいんですよね。たくみっくすさんは武漢のお正月を楽しんでいらっしゃいますか?
管理人も来年の春節休みこそは田舎に帰省する友達にくっついていって中国のお正月を楽しみたいと思っています。