2006年04月25日

中国の遠距離恋愛

中国人の遠距離恋愛はかなりやっかいである。

何しろ中国は広い。たとえば北京から広州に転勤に
なったとしたら汽車なら30時間以上(!)かかる。
飛行機なら下手すると1ヶ月の給与が飛んでしまう。

さらに中国人の場合、大変多いのが国際遠距離恋愛だ。

とにかくある一定以上の経済的条件がある中国人に
とって、一度は海外で勉強するなり仕事するなりする
のはほとんど義務に近いような感じさえ受ける。

言ってみれば結婚して家を買うのと同列にあるような
感じだろうか?

つまり結婚するのもマイホームを購入するのも別に
義務ではないのだが、しないとなんとなく格好が
つかないような気がするのと同様に、”出国”も
しなければいけないというものではないのだが、
一度はしないとなんだか他人に遅れをとってしま
った気がするようだ。

なのでカップルの片方が出国してしまって、そのまま
物別れになったという話は管理人が見聞きしただけ
でも枚挙にいとまがない。


先日、以前の同僚の陳さん(既婚)と陳さんの会社の
後輩のルーシーと一緒に食事をした。

26歳のルーシーはこの秋からカナダの大学院に進学
予定で、既に全ての準備が終わっているのだが、
1年前から付き合っている2歳の年上のBFと遠距離
恋愛になるのが不安で、行くべきかどうかすごく
迷っているのだという。

このBFは現在インターネットビジネスを立ち上げる
べく準備中で、ルーシーにも手伝ってほしいと言って
いるのだそうだ。


ルーシー「そうは言っても私は英語専攻だったから
         手伝えることなんかないし、ものすごく
         苦労してやっと大学院の入学許可をとった
         のにいまさら行くのをあきらめるなんて....」

陳さん   「だけどカナダにいったら2年は離れ離れなんだ
     よね?休暇のときなんかは帰ってくるに
         しても、2年は待ってくれないんじゃない?」

管理人   「心配だったら先に結婚してから行けば?」

ルーシー 「私はまだ26だし、正直言ってまだ彼と結婚
     するというほど気持ちが固まってないんです。」

陳さん  「まあ、留学したらあっちで新しい出会いが
          あるかもしれないしね」


ルーシー 「だけど、彼とは本当に別れたくないと思う。
      でも今留学しなかったらもうチャンスがない
      んじゃないかと思うと、やっぱり行くべきかな
          とも思うし...本当にどうしたらいいか分から
      なくて悩んでるんです」

管理人   「別に留学したかったら後からでもいいんじゃ
         
ないの?」

陳さん   「そうだよ。留学するより彼が会社を立ち上げる
           のを手伝う方が学ぶところは多いけどな」

自分がすでに海外留学済みで、留学が多くの中国人が想像
するほどには得るところが多くないことをよく知っている、
陳さんらしい発言である。

ルーシー「彼と結婚するって決まってればそれでもいいけど、
          もし結婚できなかった場合、後で生活に困ること
          になるかもしれない。
      留学すれば、少なくとも自分を養っていくことは
          できるようになると思うし...。
        
          でも、正直言うと留学するって考えても全然ワク
          ワクしなくて、不安ばっかりなんです。生まれて
          このかたずっと両親と一緒で一人暮らしすらした
          がないから」


ルーシーの悩みは一見日本人の我々と共通のようで、
やはり中国人特有の部分がある。

つまり、彼女は海外生活や学業自体に興味があって留学
したいのではなく、なく、純粋に将来のキャリア
(=生活の安定)のために行こうとしている。自国に
いるのが比較的に安全策である日本人とはそもそも
前提が異なる


「日本の社会福祉システムはどう?」というのは
中国人に大変よく聞かれる質問である。逆をかえせば
中国人は自国の社会福祉が不安なので、他国の事情に
興味シンシンなのだ。


「将来が不安」というキーワードから切ると中国人の
行動パターンがよく理解できることが多い。

とにかく出国したがるのも、有名大学に入るための受験
戦争が激烈なのも、会社や仕事内容に見切りをつけたら
躊躇なく転職するのも皆、
原因はここにある。


ルーシーの場合は生活の安定が彼との結婚によって保障
されるのであればそれでもいいのだが、現在のところ
そうなる可能性が100%ではないので、せっかく掴んだ
留学のチャンスは捨てがたい。しかし、彼のことは好き
なのでどうしたらいいか分からない、ということなのだ。

 

しかし、最後は高校の同級生と結婚して大変幸せな結婚
生活を送っている陳さんの一言が効いた。


「これぞ、と思う男性に出会うチャンスは本当に少ないよ。
だから出会えたらそのチャンスを逃したらダメ」

ついでに管理人のダメ押し。

これぞ、と思わなくても男性に知り合う機会自体、
そんなにないよ
」(泣)


食事を終えて帰るとき、ルーシーはやってきたときの
沈みこんだ様子とは打って変わって晴れ晴れとした
顔をしていた。

「今日から早速、会社が終わったあとは彼の仕事を
手伝うことにします。今日は本当に収穫が多かったです。
ありがとうございました。」


後日、陳さんからルーシーが留学に行くのをやめたと
聞いた。

正直な感想を言えば、管理人はこれを聞いてうれしく
思った。



次回は中国国内のネット&遠距離恋愛の話!


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この記事へのコメント
中国は大きいから恋愛も大変そう 私たち夫婦も中国と日本で結婚するまで大変でした

彼氏と留学
どちらか選ばねばならないとなると難しいですね。
親友とかに相談しても最終的には自分自信で決めないと後々後悔するでしょうね

あと8日後には広州ですが、すごく暑いと聞いてます
暑いの苦手だけど楽しんできます
Posted by バイリンガル at 2006年04月25日 11:18
中国人はいとも容易に国境を越えますよね。精神的にも、物理的にも。日本は島国なのでどっちも簡単ではないと思います。
Posted by worldwalker at 2006年04月25日 12:18
う〜ん、私も結婚する前は山形と仙台の遠距離恋愛(のつもり)でしたが・・・やっぱり規模が違いますねェ。

ルーシーさんの選択が良い結果になることを祈ります。
Posted by 彦勘助 at 2006年04月25日 16:28
他の国と地続きの大陸に住む人と島に住んでる人だと考え方が基本的に違うのでしょうね。
大陸的な考え方は見るにつけ、聞くにつけ日本人には
勉強になります。
Posted by とんじい at 2006年04月25日 19:42
>バイリンガルさま

バイリンガルさまも超遠距離恋愛経験者だったのですね。それはそれは大変だったことと思います。。

確かに自分で決めないと後悔するのですが、ルーシーの場合は若いせいかいろいろ思い込みがあって(かつての自分を見ているようでした)、われわれ年長者(?)の意見を聞いたのはよかったんじゃないかな、と思います。

広州暑いですよ(笑)水着をもってお越しください。

>worldwalkerさま

中国人って世界中のいろんなとこに親戚が散らばってるので、たとえば外国の国籍をとるのも容易なんですよね。国籍を変えるのも大決心というわけではなくて、本当に気軽に、便利な道具を購入するのと同レベルのようです。

Posted by NINI at 2006年04月25日 21:26
>彦勘助さま

私が日本にいたころ、関西の実家から電車(新幹線)で3時間半の東京で働いていた、と中国人に言うと「田舎の近くで働いてたんだね」といわれます。
先日日本から来たお客さんを2時間離れた場所へお連れしたら「ずいぶん遠くまで行くんですね」といわれてびっくりしてしまいました。わたしもいつのまにか感覚が中国人なみになっているようです。

>とんじいさま

大陸的・島国的というのかどうか分かりませんが、人間は自分の頭で考えてるつもりでも、周囲の環境に随分左右されてしまうのでしょう。ルーシーの件で痛感しましたが、世間の目に惑わされず自分が本当に欲しているものを知る、という作業は想像以上に難しいのだと思います。
Posted by NINI at 2006年04月25日 21:34
いつもたのしくブログを拝見してます♪

日本でも留学してるかた多いですよね。
私の知人で彼氏と別れてから留学して、いまでも彼氏が忘れられないようです。
その彼氏は違う方と結婚してしまったようです。
つきあっていた頃のまま彼女は時間がとまっている
ように思えます。


かなりしっかりした考えで(目標が定まっている)留学を選ばないと、結婚と(日本には味あえないぐらいの)視野かどちらがお得か考えのままになってしまうような気がします。

ルーシーさんは本当に大切なものは何かを考えて
選んだ道はいろんなこともあるかもしれないですが
良かった!と思うと思います。

次回の中国国内のネット&遠距離恋愛の話!も
楽しみにしてます♪
Posted by とくり at 2006年04月26日 14:40
こんにちは。素朴な質問です。NINIさんのまわりの中国人は非常にスマート(恵まれている)な方が多いですよね。私の周りでNINIさんの日記にでてくるような方は皆無です。職場的にはホワイトカラーの職場なんですけど…。お友達の方はどんなお仕事されてるんですか?それと深センではイングリッシュネームを使っている会社結構ありますけど、広州でも多いんですか?例えば中信みたいな所で働いている方はそうなのかな…?そういえば、不動産屋の人はイングリッシュネームでした。変な質問してすみません。
Posted by kazu at 2006年04月27日 01:18
私もKAZUさんと同じ疑問をずっと抱いてました。
当方も中国広東省で長年仕事をしておりますが、このブログに出てくるような中国の方は、皆無、、とはいかなくても本当に一握りです。環境面だけでなく、このような考え方をもった中国の方が多ければ、自然と話の合う中国人の友人も増え、中国生活が楽しくなると思うのですが、実際、出国を予定しているような中国人でも、NINIさんの日記に出てくるような話のかみ合った会話ができないのが現状です。
Posted by 広東 at 2006年04月27日 16:08
>とくりさま

はじめまして! いろんな決断をするときによく考えるって大事ですが、理屈ではなくて自分自身の直感を信じることも大事だと思います。腑に落ちる、方を選ぶというか。ルーシーの場合は損得で考えるとわけがわからなくなってしまうのですが、管理人は彼女の話を聞いて、海外に行くこと自体に自然な興味を感じていない点が致命的だと思いました。
まあ、取り返しのつかない選択の過ちってそんなにないんですよね。というか何が正しい選択で何が間違っていたか、死ぬときにしかわからないのではないかというのが管理人の考えです。

またお待ちしてます
Posted by NINI at 2006年04月27日 21:29
>kazuさま

広州の街角や高級住宅街ではものすごいスーパーリッチと思われる人々を目にすることがありますが、管理人の知り合いはそこまでの人はいません。皆普通に勤め人ですが、外資などで働いていて高給取りという程度です。イングリッシュネームは若い女性はほぼ皆持ってますね。男性はそんなに多くないです。イングリッシュネームをころころ変えている人も時々います(笑)
Posted by NINI at 2006年04月27日 21:47
>広東さま

う〜ん、正直よく分かりません。結婚相手に出会う運(才能?)が決定的に欠如している分、神様が良い友人に出会う運をくれたのではないのでしょうか?
..というのは冗談として、物理的に管理人が広州の中心地で生活、および勤務しているという環境は大きいと思います。
もうひとつ、先日香港警察のロバートと話していて「人間はどこの国の人も皆同じ」と本当に思うようになったきっかけは?という話題になりました。実は二人ともハリウッド映画の話を中国人の友人としていてすごく話があったのがきっかけだったのですが、この時以来周囲とのコミュニケーションがスムーズになった気がします。
何が言いたいかというと、周囲の人の自分に対する反応は、自分自身の周囲に対する見方の鏡では....ということなのですが。広東さまの環境がよく分からないので、全くの見当はずれでしたらすみません!
Posted by NINI at 2006年04月27日 21:52
決して、悪気があって書いているわけでもなく、NINIさんのおっしゃる

<周囲の人の自分に対する反応は、自分自身の周囲に対する見方の鏡では....

というのも頷けるのですが、やはり、自分のまわりの中山大学をでたような人でも、”ハリウッド映画””マイケルジャクソン”を知らない人が多いのが現状です。
広州の中心部のホワイトカラー層とも仕事柄お付き合いがあるのですが、毎回こちらのブログに出てくるような方たちとは随分違うなと言う印象をもっていました。自分は、全部その原因が自分の作り出した偏見によるものだとも思いませんし、NINIさんの書いてらっしゃる事も真実だとも思います。ただ、同じ広東圏で同じ層の
中国人に接しているのに、”不思議だなあ”という思いで半ばブログを拝見させてもらっていたということです。
(まったく、いやみなどではないので、お気を悪くされたらごめんなさい。)

Posted by 広東 at 2006年04月28日 00:52
広州にある自動車部品メーカーの通訳です。Lindaと申します。去年12月からNINI様のブログをお気に入りに入れて、うれしく拝見してきました。NINI様はほんとに真剣に、私にとって役立つ、勉強になる記事を書いています。ありがとうございます!
Posted by Linda at 2006年04月29日 10:20
日記読みました!私はバイリンガルの妻で〜〜〜す♪今広州にいます^^よかったら今度ご飯でも食べませんか?また日記読ませてもらいます!
Posted by みあか at 2006年04月30日 23:47
>広東さま

コメントのお返事が大変遅くなり申し訳ございません。

偏見どうこうではなくて、たとえば中国人でも相手が日本人だとわかった途端「桜、和服、富士山」の話になる人って結構いますよね?悪気がないのは判っていてもこれでは話がつづきませんが、日本人中国人の区別なく話題を振ってくる人だと、こちらもいろいろ腹を割って話しやすくなると思います....といった意味のことを言いたかったでのですが言葉足らずでした。全く気を悪くなどしておりませんので、どうぞこれからもコメントください。お待ちしております!!
Posted by NINI at 2006年05月16日 20:09
>Lindaさま

はじめまして!お返事おそくなり申し訳ありません。
役に立つ、というのが最もこのブログの評価としては遠いようでなんとも恐縮です。
管理人はいつまでも中国語が上達しないので通訳をされているというだけで尊敬です。
また遊びにきてください!

>みあかさま

ありがとうございます。ぜひご主人も一緒にお食事でも行きましょう。
Posted by NINI at 2006年05月16日 20:12